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ドコモ対応ISPとAPNを整理する(1) プロバイダ比較編

2012 年 10 月 3 日 コメントをどうぞ コメント

ドコモ対応ISP比較(PNG形式)
ドコモ対応ISP比較(Google ドキュメント)

「ISP」とか「APN」とか、よく聞くけどあんまり解ってないなーという人のためのお話。

Internet Servise Provider:ISP とはインターネット接続サービス提供事業者のことで、一般にはプロバイダと呼ばれます。Access Point Name:APN とはプロバイダの設備が置かれている住所のことで、一般にアクセスポイントと呼ばれます。

携帯電話の契約においては料金プランに応じて利用可能端末やサービス内容が異なるように見えますが、実際には接続先プロバイダによって利用可能端末やサービス内容が変わる仕組みになっています。つまり、同じ料金プランであっても、接続先プロバイダを変えれば、全く異なるサービスを受けることができるのです。

これを自分なりに理解するため、ドコモに対応した主なプロバイダとその特徴をまとめてみました。

プロバイダ比較

iモード

一時代を築いたドコモのドル箱サービス。日本一の加入者数を誇る世界有数のISPですが、単なるメールサービスと思い込んでいるユーザも多いはず。どちらかと言えばコンテンツプロバイダに近い存在。表には記載しなかったものの、日本通信の「コネクトメール」サービスなどで置き換えることができます。IMEI制限というか、iモードシステムを搭載した携帯電話でないと利用できません。

spモード

iモードアドレスや絵文字をスマートフォンで利用したいという声に応え、2010年9月1日にようやく開始されたサービス。待ちに待ったサービスインではありましたが、その実装方法には色々歪な部分があるようで、相次ぐ障害やspモードメールアプリの不出来、キャリアグレードNATなど問題点は山積みの模様。提供されるすべてのAPNにIMEI制限があり、ドコモの販売するスマートフォン/タブレットのみ接続可能であるなど利用条件が厳しい代わりに、テザリング時の強制隠しAPN(dcmtgr.ne.jp)や、A-GPS(dcm-supl.com)に接続したり、おサイフケータイやコンテンツ決済を利用できます。

参考:404 Blog Not Found:SPモードがiモードを置き換えられない根源的な理由

mopera U ライトプラン

U スタンダードプランからメールサービスを削除するなどした下位プランで、spモードがまだ存在しなかった頃、iモード.net(¥210)と組み合わせてスマートフォンを運用する手段としてよく用いられました。IMEI制限をくぐれるドコモ端末を運用する際はmpr2.bizho.netに繋げばパケホのスマートフォン定額(ダブル¥5,985/フラット¥5,450)が適用されますが、他社・海外端末はmpr2.bizho.netへの接続が弾かれるので、SIMフリーiPhone使いは最高通信速度が128kbpsに絞られたmpr.ex-pkt.netに繋いで外部機器接続128k定額(一律¥5,985)の低速通信で我慢するか、速度制限のない従量制APN:mopera.netの外部機器接続扱いで当時¥10,395(現在は¥8,190)の高額高速通信を享受するかの選択を迫られました。

mopera U スタンダードプラン

月額料金が他より少し高いものの、ほぼ全てのプランに対応した総合ISPサービス。spモードのようにテザリング用の隠しAPNに接続できず、おサイフケータイのオーソリも取れないなど、ドコモ端末のフルスペックを引き出すことができないので、ドコモのデータ通信で利用するケースが一番多いと思われます。IPv6アドレスの払出しは無料ですが、Xi契約でXi対応モデム端末の場合のみ利用可能と限定的。近年は混雑により一時的にパケットが通らない現象、所謂「パケ詰まり」の報告が上がっているのが玉に瑕。

参考:NTTドコモにおけるIPv6対応の取り組み(PDF)

mopera U スーパーライトプラン

FOMA定額データプラン128K専用ISP。最も安い代わりに諸々の制限も多いのですが、そもそもの速度制限や接続先制限はドコモのゲートウェイ側で行っているらしく、mopera側での仕事はプロトコル制限やコンテンツ制限くらいのようです。注意が必要なのは、FOMA定額データプラン128Kでも接続先制限を解除していると従量制APN:(open.)mopera.netに接続可能であるという点。その場合、通信速度はキッチリ128kbpsに抑えられる一方、料金は外部機器接続扱いで上限¥8,190となります。

・ドコモ以外のデータプラン対応プロバイダ

ドコモ以外にもデータプラン対応プロバイダは数十社存在しますが、上記比較表では代表的なプロバイダとしてOCN モバイル dを選出しました。基本的には劣化版mopera U スタンダードですが、NTT-Comの太いバックボーンが使えるためパケ詰まりが無いと言われているほか、2ch規制を回避できるという利点があります。その他、通の間では¥420/月のASAHIネット ハイスピードモバイル(Xi & FOMA対応)なども有名です。APNは一貫して、FOMAデータで「***.dd.flat.foma.ne.jp」、Xiデータは「pre****.xi.dcm.ne.jp」の形を取ります。docomoからの発信者番号通知でISP側で契約者照会ができないので、あらかじめISPから発行された認証IDと認証パスワードを入力しなければいけないのが面倒です。また、「契約種別」「APN」「端末種別」の3つがFOMAかXiで統一されていなければ接続することができません。この辺りは別記事で。

参考:L-09Cのパケ詰まり:ISPをOCNにしたら解消 | shimajiro@mobiler

ケーススタディ

例として、Xi総合プランでXiパケ・ホーダイ ライト契約のSIMをFOMA端末SC-02C Galaxy S IIに差し込んでテザリング機能なども使う場合を考えてみます(かなりマニアックですが、実際の私の運用方法です)。まず、Xi総合プランのパケット定額に対応したISPという時点でspモードかmopera U スタンダードの2つに絞られます。一般にSC-02Cはテザリング時にAPNが強制的にdcmtgr.ne.jpに切り替わるためspモードの契約が必須ですが、今回はカスタムROMの導入により強制APN切り替えを無効にしているので、この制限はありません。普段はspモード(¥315)を契約しておき、VPNを利用した時だけmy docomoでmopera U スタンダード(¥525)を契約するのが最も節約できる方法です。両方契約してもISPセット割により¥840→¥525になるので、私は両方契約しています。

少し条件を変えて、Xiデータプラン契約のSIMを日本通信のIDEOSに差し込んでWiFiルーター替わりに使う場合を考えてみます。Xiデータプランに対応したISPはspモード、mopera U スタンダード、OCNモバイルdの3つです。まず、最も安価なspモードはIMEI制限によりIDEOSから接続することはできません。ここはパケ詰まりのないOCNモバイルを選びたいところですが、生憎IDEOSはW-CDMA端末なので、docomoのネットワーク仕様によりFOMAデータプランの場合にしか接続することができません。よって、消去法でmopera U スタンダードしか使えないことになります。

このように、docomoのAPNを巡る規制は複雑です。もはやドコモショップレベルでは全てのアクセスポイントを把握できていない状態にあると言っても過言ではありません。

なお、docomoと同じくW-CDMA方式を採用するSoftBankは「SIM」「プラン」「APN」「端末」「サービス」のセットがほぼ決め打ちであるため特段それを意識する必要はなく、CDMA2000方式を主に採用するauにはそもそも「APN」の概念がありません(LTEプランを除く)。

続きます。